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さい頃、助手席が大好きだった。運転席との間にあるボックスには父親の好きなMDカセットが沢山詰まっていたけれど、ミュージカルに夢中になっていた私はレ・ミゼラブルやキャッツをひたすら流した。

ボックスの上には父親のティアドロップ型のサングラスに並んで、安っぽいピンクのサングラスが常備してあった。あれは中野で買ったんだろうか。習い事の帰りにだったか、商店街のアクセサリーショップで母親に買ってもらったような覚えがある。ピンクのフレーム、レンズ。白いスパンコールが埋め込んであった玩具のような代物。

父親のは金のフレームに紫っぽい青のレンズだったか。それがどうにも恰好良く見えて私は掛けたがった。父親は自分のを持っているだろ、と諭した。今でもティアドロップ型のサングラスを見るとふふっと笑いたくなる。あれは私たち親子の大切な思い出だったのだなあ。

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