吐いた紙巻より早く落つ首切り花

削ぎ落とした眼差しで闇と交わる

たなびく煙の源で赤く燃ゆる明星

皓々と金気鳴らして散る朱の火花

じりじりと焦げゆく穂先にて一線

吐いた紙巻より早く落つ首切り花

狗らしく前脚揃えて頭は垂れずに

開ききった瞳孔へ集約する光粒子

闇を切り裂き雷光めいて一閃せよ

研ぎ澄まされた刃たずさえ駆月夜

鋭利な牙で貴様の喉笛を食い破る

吐いた紙巻より早く落つ首切り花

首切り花:椿の花、落ちた首の比喩

煙(けむ)

明星(ほし)

朱(あか)

頭(こうべ)

駆月夜(くげつや)