枯れかけの愛の遍在証明
渇いた眩暈の行く末を
萎びた愛の顕在にそっと蓋を
剥がした皮下には槐夢と未視感が
あなたの愛ってまるで剥製みたいね
子供じみた「もし」ばかりが積もっていく
あなたの心の輪郭を掴めないまま恋は終わる
出会ったときの温もりを忘れたあなたの指先
瞳に黄玉がさんざめくとき、あなたは何を諦めたの
燦燦と注ぐ空白感、燃え失せた熱情に瞳を揺らすの
歪な欠片を探さないで、そうやって解こうとしないで
私たちの恋は見返りで成り立っていたのかもしれないね
最低の中にだってきっと何か意味があったなんて馬鹿みたいなこと
あなたのくれた真珠のピアス、海に投げ捨てたからきっと泡になったわ
きっとあなた、あの夜景を思い出して最悪だって私の嫌いな笑い方するのよ
お揃いで買ったブラックベリーの香水、あとは空気に溶けて消えるだけなのね
槐夢(かいむ):はかない夢
未視感:良く知っているものを見知らぬものに感じる