花さえも神の祈りへ首を垂れる


渇き切ったくちびるで紡ぐ異称

祈らない白痴を棄てられない

今際のくにで四肢を呪われた

まばゆいばかりの夜

灰色の泪で満たす単眼よ

もう二度と剥がれ落ちない痕

渺渺びょうびょうとした暗夜にうずもれた鼓動

顔も見えない黎明ならやさしくいれた

なまぬるいはなむけ喰らって灰へと還す

冷ややかな轍の上で未だ見ぬ

いびつに澄み切った羊膜

氷りつく夢のつづき

一瞬のあわいを走り抜ける

午夜ごやの青い淵も粉々になって

花さえも神の祈りへこうべを垂れる

花さえも神の祈りへ首を垂れる

渺渺(びょうびょう)とした:はるか