真夜中の迷子
01
眩むようなレプリカの宇宙
不確かなものに溺れる深夜二時半
どこまでも一緒なんて約束したのにね
02
都会の狂騒に沈むバスタブ
シナプスの千切れる音がする
僕の孤独 × 三十七兆個の情動を
03
末端から青く染まっていくような
夜の闇に沈殿している街の営み
夜の落下速度でも測っていて
ミッドナイト・ハイウェイ
真夜中の迷子
04
17歳からずっと死に損なったまま
見つからない答えは僕を狼狽えさせる
欠陥だらけな Exit コードの軋む音がする
25時、街はうつらうつらと首を傾げている
05
眠らない街には無数の孤独が輝いている
Our Last Train(もうすぐ最終列車だ)
明滅する視界の180度反転の果て
06
真っ暗な部屋の中でひとり孤独に溺れてみたの
冷えた浴槽に沈んで夜の囁きを聴こうとしたの
07
バスタブの底で耳を澄ませば聴こえたのは夜の心音だった
23階でワインを傾ける彼も、11階でザッピングする彼女も
08
真っ暗い部屋でブルーライトに染められた顔ばせは蒼褪めている
あなたの身体に海があるなら、自ずと還るべき場所も解るでしょう