これが僕らのハッピーエンド
醜く焼けただれた識別不可能な代物に僕はそっと口づけて、腐っていくその亡骸とワルツでも踊ってみせようか。負のエントロピーをもう二度と召すことはない、君の行く末をきっと笑ってみせるよ。
灰に塗れた骨の破片たち、両手に収まるほどの壺に納められて冷たい石の中に閉じ込められる哀れなかつて“人”だったもの、そんなつまらない代物に成り下がるくらいならいっそ、君の明日を僕におくれ。
肉の焦げる鼻をつく臭い、舞い上がる火の粉、君の細くなっていく悲鳴⋯⋯。惨劇の不詳を嘆く人々を横目に僕は今日も今日とてたゆみなく君を愛するのさ。