そこはかとなく薄昏いパレット (2)

たましいの偽称

白けた

苛烈

どこにでもある

うつろいさか回り

真珠のような

不感症

冷めていく

にんげんと偽る

不埒な

蜃気楼

ありふれた

破片を濁す

皮下

まばたきひとつ

なでるような

目配せの鋭利

手つかず

んでいく

脈拍

花茎を食む

花曇り

こだまする

爪痕

古ぼけた矜恃

縫い目

なんだって

閉じこめる

けれどまだぬる

蝶々結び

あえかに

息もできない

路傍の菫

はがれ落ちる

雨粒

一度きりの

花と落丁

電子の海

かざす

いびつ

頬に落ちる

わだかまる

春雷

けぶ

なみなみと白

いくつも

空白

ただならぬ

硝子の粒子

彩度

傷みやすい

不器用な

信仰に落つ

失くした

横顔

褪せていく

勝手に崩れゆく

まなざし

しんしんと

追憶

雨声さざめく

冴えたる

やわらかい

天秤

不毛を結ぶ

こびり付いて

水槽

底なし

琥珀の繭

しょく

告解室

呑み込んだ

極彩色の病

降りつもる

名前

手のひらの

波間に欠けゆく

体温

溺れる

潮騒

天使の無声

終わり

すべらかな

知らなすぎた

灰白色の星

指先

きらめく

いたましい

冷たい素足

引っ掻き傷

そりなりの

散らばる

凍りの火種

模した

薄氷

とけゆく

あえかに:弱々しく